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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

自己破産手続の流れと所要期間・必要な書類と制限事項も解説

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債務返済が困難な状況に陥り、自己破産することを決意したものの、自己破産の手続の具体的な方法がよくわからない、必要な書類が多すぎて混乱してしまう、などとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自己破産の手続の流れと所要期間、自己破産の申立てに必要な書類、自己破産手続中と手続後の制限事項などについて解説します。

自己破産とは

自己破産とは裁判所に返済不能であることを申立て、債務を免責する手続のことをいいます。申立てを受けた裁判所は、まず債務者の財産と家計状況を把握します。その上で、返済不能に陥っている状況が認められた場合、債権者に対して財産を分配し、残債務を免責します)。
自己破産の目的、利用するための条件、メリット・デメリットなど基本的なことを知りたい方はこちらの記事を参考にしていただければと思います。

自己破産の手続の流れと所要期間

自己破産は、裁判所に申立てをした後、すぐに決定されるわけではありません。自己破産には大きく分けて2つの種類の手続があり、種類によって所要期間が異なります。自己破産の種類ごとの手続の流れと所要期間について説明します。

1.同時廃止の場合

自己破産の申立てをすると、通常は、申立人の財産を調査・確認する破産管財人が選任され、財産の処分・換金が行われた上で、債権者へ平等に財産が配当されます。しかし、債権者に配当できる財産がない場合、破産の手続が開始されたと同時に破産手続の廃止が行われることがあります。これを同時廃止といいます。同時廃止の手続完了までの所要期間は一般的に6ヶ月程度といわれています。
同時廃止の手続の一般的な流れと所要時間は以下のとおりです。

①事前の準備期間:2~3ヵ月

  • 申立てに必要な書類収集
  • 弁護士への委任
  • 書類の作成

②破産手続開始申立から審尋までの期間:2週間~1ヵ月

  • 申立てに必要な書類を提出
  • 審尋で支払い不能であるか判断
  • 破産手続開始決定・同時廃止決定
  • 官報に情報が載る(1回目)

③同時廃止決定から免責許可までの期間:2~3ヵ月

  • 同時廃止決定が確定し、免責許可の申立に進む
  • 裁判所で審尋を受ける
  • 免責許可の決定または免責不許可の決定
  • 官報に情報が載る(2回目)

2.管財事件の場合

債権者に配当できる財産がある場合、破産管財人が選任され、管財事件となります。債権者に配当できる財産があるか否かの判断基準は地方裁判所ごとに異なりますが、以下のようなケースでは管財事件になる可能性が高いです。

  • 20万円以上の資産を持っている
  • 99万円以上の現金を持っている
  • 法人や個人事業主である

上記に該当しない場合でも、免責不許可事由に該当する可能性があるなどの理由で調査が必要と判断された場合は管財事件となる可能性があります。免責不許可事由について知りたい方はこちらの記事を参考にしていただければと思います。

管財事件の場合は申立を行ってから免責が得られるまで最低でも6ヶ月以上はかかります。準備期間や財産の売却・現金化(換価)など含めるとさらに時間がかかるので、1年程度はかかることを覚悟しておいた方がよいでしょう。
ただし、東京地方裁判所などでは少額管財と呼ばれる簡易迅速化された運用を実施しており、所要期間は6ヵ月~8か月程度に短縮されます。
管財事件の一般的な流れと所要時間は以下のとおりです。

①事前の準備期間:2~3ヵ月

  • 申立てに必要な書類収集
  • 弁護士への委任

②破産手続開始申立から審尋までの期間:2週間~1ヵ月

  • 申立てに必要な書類提出
  • 審尋にて支払い不能であるか判断

③破産管財人が財産を換価して債権者に配当する期間:3~6ヵ月

  • 破産手続開始決定
  • 破産管財人の選人
  • 債権者集会
  • 換価(財産の処分・換金)
  • 配当(財産の分配)
  • 官報に情報が載る(1回目)

*少額管財の場合、この期間が短縮されます。

④破産決定から免責許可までの期間:2~3ヵ月

  • 破産が確定し、免責許可の手続に進む
  • 破産債権者の意見申述や調査
  • 裁判所での審尋
  • 免責許可の決定または免責不許可の決定
  • 復権する
  • 官報に情報が載る(2回目)

自己破産の申立てに必要な書類

自己破産の申立てを行うにあたり、準備が必要な書類は非常に多く、家族の協力を必要とする書類もあります。自己破産の申立てに必要な書類について説明します。

1.破産手続開始・免責許可の申立書

自己破産を申し立てる書類です。書式は地方裁判所ごとに異なるため、現住所を管轄する裁判所が指定する書式を使用します。

2.住民票

本籍地が記載された住民票を用意します。世帯主、家族、続柄、本籍地が全て記載されていて、3カ月以内に発行されたものが有効です。住民票の住所と実際に居住している住所が異なる場合は、住所が表記された公共料金の請求書などを用意する必要があります。

3.陳述書・報告書

破産手続開始の申立てが認められるか判断される書類です。陳述書は本人、報告書は代理人となる弁護士等が作成するものとなります。主な記載事項は、職歴、家族関係、自己破産の申立てに至った事情、免責不許可事由の有無などです。破産手続開始・免責許可の申立書と同様に、地方裁判所ごとに書式が異なるため、現住所を管轄する裁判所が指定する書式を使用します。

4.債権者一覧表

破産手続開始決定後、債権者に通知が必要となるため、債権者の名前、住所、借金の時期や残高、使用用途などを一覧表にまとめます。基本的には、借金の時期が古い順で記載しますが、同一の債権者から複数回に渡り借入をしていた場合は、最初に借入した時期を記載し、現時点での借入合計額をまとめて記載します。
内容には債権者の名前や住所だけでなく、借入や購入した記録を古い年月分からすべて記載しますが、もし同じ債権者から何度も借入や購入をしていた場合は一番始めに利用した年月を基準として合計額をまとめて記載します。
債権者名簿に虚偽の内容を記載した場合、免責不許可事由に該当します。親や友人などから借金をしている場合も債権者一覧表に記載する必要があるので、漏れのないように記載して下さい。

5.資産目録

資産目録は、家や土地など不動産、車、現金などの所有資産を記載する書類です。資産目録一覧と明細に分かれています。一覧には主な資産項目が列挙されているので、「有」と「無」のいずれかにチェックを付けます。明細には、一覧で「有」にチェックを付けた資産に関する詳細を記載します。

6.家計全体の状況に関する書類

家計全体の状況がわかる書類として、家計全体の収支を記録した家計簿を提出します。同居人がいる場合は同居人の収支も記載する必要があります。通常、申立てを行う前2ヵ月分の記録が必要ですので、自己破産を検討する際は、できる限り早くから収支を記録する、レシートや領収書などを捨てずに残しておくことが大切です。

7.収入に関する書類

収入がある場合は以下のような書類の提出も用意しましょう。

  • 申立て前2ヶ月分の給与明細書(給与所得がある場合)
  • 申立て前2年分の確定申告書(確定申告をしている場合)
  • 直近1年分の源泉徴収票または課税証明書

8.その他の書類

その他、以下のような書類の提出を求められることがあります。

  • 直近1~2年分のインターネットバンキングを含めた取引銀行の口座すべての預金通帳明細のコピー
  • 車検証や自動車税の申告書などの証明書類(車を所有している場合)
  • 土地家屋の権利書(土地や家を所有している場合)
  • 保険証書(保険に加入している場合)
  • 退職金見込額証明書(会社員の場合)
  • 直近1~2年分の株式やFX等の取引明細書(株やFXなどの取引を行っている場合)

自己破産手続中の制限と手続後の制限

自己破産をすると日常生活を制限されて不便な生活を強いられるというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際のところ日常生活を送る上での制限事項はそれほど多くはありません。自己破産手続中の制限と手続後の制限について説明します。

1.自己破産手続中の制限

管財事件の場合は以下のような制限があります。

  • 財産の管理・処分権利の喪失
  • 通信の秘密の制限(破産管財人が郵便物を閲覧)
  • 引致・監守(財産隠匿や逃走の恐れがある場合のみ)
  • 居住の制限(裁判所の許可なしの引っ越し等は禁止)

これらの制限は免責許可が確定して復権すれば解除されます。

2.自己破産手続後の注意点

自己破産手続が完了し、免責許可を受けて復権をした後、どのような生活が待っているのでしょうか。手続完了後は、特に日常生活における制限はなく、新たに財産を持つことも可能です。ただし、日常生活に影響を及ぼす注意点もあります。具体的な注意点について説明します。

①新規のローン申し込みやクレジットカードの作成ができない

自己破産手続後の日常生活に最も大きな影響を与えるのは、信用情報機関に事故情報が登録されることです。事故情報が登録されると、ローンやクレジットカードの審査に通らなくなるため、新たなローンを組む、クレジットカードを作るということは当面の間、できなくなります。事故情報は永遠に登録されているわけではなく、5年~10年程度で抹消されます。

②官報に名前や住所が掲載される

また政府が発行する官報に名前や住所が掲載されます。これを公告といいます。公告の目的は、手続を公にして一般の債権者に知らせることです。官報は毎日発行されており、過去の官報が閲覧できるのは、インターネット無料版では30日分のみです。直近30日以前の自己破産に関する情報を閲覧する場合は、国立国会図書館に行く、またはインターネット版官報情報検索サービスを利用するという方法しかありません。したがって、官報に掲載されることにより、知人に自己破産をしたことを知られる可能性は非常に低いといえるでしょう。なお、官報に掲載された名前や住所を元に、違法な闇金業者らが融資案内のダイレクトメールを送ることがありますので、注意して下さい。

まとめ

今回は、自己破産の手続の流れと所要期間、自己破産の申立てに必要な書類、自己破産手続中と手続後の制限事項などについて解説しました。
自己破産は債務を免責してもらう手続だけに、必要な書類がたくさんあり、書類に不備があると免責許可を受けられない場合もあるため注意が必要です。必要な書類の準備や手続に不安がある方は早めに債務整理に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

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代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。