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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

自己破産ができない場合・免責が認められない場合の具体例と対処法

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「自己破産ができない場合があると聞いたけれど、具体的にどのような場合に自己破産ができないのか知りたい」
「ギャンブルにより多額な借金を負った場合は免責が認められないと聞いたけれど、その理由について理解したい」

今回は、破産手続開始の申立てが認められない場合、破産法の規程に基づき免責が認められない可能性がある場合、その他の事情により自己破産できないケース、自己破産ができない場合の対処法などについて解説します。

破産手続開始の申立てが認められない場合

自己破産の手続は二段階となっており、破産手続開始の申立てと免責を求める申立ての両方が認可されなければ、借金の返済義務は免除されません。そのため、自己破産できない理由としては、破産手続が不可能なケースと、免責を得られないケースの2種類が存在します。
まずは、破産手続開始の申立てが認められないケースについて、具体的に説明します。

1.債務の総額が少なく返済可能である

自己破産ができるのは、客観的に見て、借金返済が不可能な状態であると認められた場合のみです。借金返済が不可能な状態であるか否かは、借金の総額のみで判断されるわけではなく、債務者の収入や月々の返済額なども考慮した上で判断されます
一般的に、月々の返済額が手取り収入から住居費を引いた金額の3分の1を超過している場合に、支払不能状態とみなされます。ただし、この基準はあくまでも目安であり、債務者の収入、資産、年齢など様々な要素により、総合的に判断されることになります。
なお、支払不能状態を装うために収入を低く報告する、所得や財産を故意に隠すなど、破産手続に必要な情報を偽って裁判所に提出した場合、詐欺破産罪に問われるおそれもあります(破産法第265条1項1号)。自己破産の手続が開始されると、債務者の財産と債務について詳しく調査されるため、決して虚偽の報告はしないでください。

2.破産手続に必要な費用が用意できない

自己破産の手続には以下の2種類があります。

  • 破産手続が開始とともに終了する同時廃止事件
  • 破産管財人が選出され、破産手続に時間を要する管財事件

同時廃止事件と管財事件では破産手続にかかる費用も異なります。
管財事件の場合は申立て費用等のほか破産管財人の報酬等の予納金が発生するため、同時破産の場合の費用に加えて20〜50万円程度が必要となり、この費用が用意できない場合には破産手続ができません
日本司法支援センター(通称:法テラス)では、経済的な事情などにより弁護士に相談できない方に対して、無料の法律相談や弁護士費用の立替えを行う民事法律扶助制度というサービスを提供しています。収入が一定額以下である等の条件を満たす必要はありますが、弁護士費用を用意できない場合は利用を検討してもよいでしょう。
また、東京など一部の地方裁判所では、裁判所に支払う予納金の金額を大幅に抑えることができる少額管財という手続を行っています。少額管財を利用するためには弁護士を代理人とすることが条件となりますので、債務整理に精通した弁護士に相談することをおすすめします。

免責が認められない可能性がある場合

破産手続開始の申立ては認められたけれど、免責が認められないという場合もあります。免責とは、破産申立人が負っている債務(借金)の支払いの免除を裁判所に認めてもらう手続のことです。個人が自己破産をする主な目的は、免責により借金を免除してもらうことなので、免責が認められないと、自己破産の目的を果たせないことになります。具体的にどのような場合に免責が認められないのか説明します。

1.破産法が定める免責不許可事由に該当している

破産法第252条1項各号に定められている免責不許可事由が存在する場合、自己破産は認められないとされています。免責不許可事由の中で、該当するのが多いのは以下のようなケースです。

  • 競馬やパチンコなどのギャンブルによる多額の借金をしてしまった
  • 車などの財産を没収されたくないために、財産を隠蔽して自己破産の手続を進めようとした
  • 裁判所や破産管財人が行う調査に協力しなかった
  • 過去7年以内に自己破産をしたことがある

過去に自己破産申立をして免責を得ている場合、原則として免責決定日から7年が経過するまでは再度自己破産の手続をすることは認められていません(破産法第252条1項10号)。個人再生で再生計画の認可が得られてから7年が経過していない場合も同様の扱いとなります。
ただし、上記のような免責不許可事由が存在する場合でも、裁量免責により免責が認められるケースも少なくありません。裁量免責とは、免責不許可事由がある場合でも、自己破産に至った経緯や破産申立人が経済的な更生を実現できる可能性などの諸事情を考慮して、裁判所が裁量により免責許可を決定することをいいます(同法同条2項)。
免責不許可事由の種類や具体例、裁量免責について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしていただければと思います。

2.債権者が自己破産に異議を唱えた場合は?

裁判所は破産手続中に債権者の意見を聞き、免責の決定に異議がないか確認します。

消費者金融や銀行などが個人の破産に対して異議を訴えるケースは非常に稀ですが、返済不能状態にありながら「問題なく返せる」などと嘘をついて借入れしたなど、債務者に悪質性が認められる場合、債権者が異議を唱える可能性も否定できません。
債権者が異議を訴えた際には、債務者は口頭か文書提出のいずれかの方法で該当する債権について説明する義務を負います。債務者が事実に即した説明を正直に行えば、ほとんどのケースで債権者の異議は却下されますが、異議が認められた場合は該当の債権は非免責債権となり、支払い義務が残ります。返済意思の有無は、借入の時期や返済回数を見れば明らかになるため、くれぐれも裁判所に虚偽の説明をしないようにして下さい。

3.非免責債権がある場合は?

税金などの非免責債権がある場合でも、その他の事情に問題がなければ自己破産できます。しかし、免責を得た後も非免責債権の支払い義務は残るという点には注意しましょう。

その他の事情により自己破産が適切でないケース

自己破産の手続自体は問題なくできても、その他の事情により自己破産が不適切なケースもあります。具体的に、どのような事情がある場合に自己破産ができないのか説明します。

1.保証人に絶対迷惑をかけたくない場合

免責された債務に保証人や連帯保証人が付いていた場合、債権者は、保証人や連帯保証人に対し請求することになります。債権者は、保証人や連帯保証人に対し残債務の一括請求を求めることもあるため、注意が必要です。
家族や知人が保証人になっている債務があり、絶対に迷惑をかけたくないという場合は、自己破産できないと考えた方がよいでしょう。

2.自宅や車を絶対手放したくない場合

自己破産をすると、持ち家や車などの高額な資産を手放す必要があります。持ち家や車を手放すのは絶対に避けたいという場合、自己破産はできないといえるでしょう。

自己破産を検討する際には、自己破産のデメリットについて正しく理解することが大切です。

自己破産ができない場合の対処法

自己破産の申立てをしても免責が認められなかった場合や、その他の理由で自己破産ができない場合、どのような対処法があるのでしょうか。

1.免責不許可決定については、即時抗告する

免責不許可の決定が下されたことに対して不服がある場合は、債務者は即時抗告ができます。
なお、即時抗告申立書の提出先は破産申立をした地方裁判所ですが、申立書の宛名は管轄区域の高等裁判所となるので、注意しましょう。

2.保証人に迷惑をかけたくない場合は任意整理を検討する

絶対に保証人に迷惑をかけるわけにはいかないという理由で自己破産ができない場合、任意整理を検討するとよいでしょう。任意整理は裁判所を介さない私的な手続で、保証人が付いている債務を対象から外す等の柔軟な対応により、保証人に迷惑をかけずに債務を整理することが可能です。任意整理では、原則として借金の元本のみを3〜5年で返済できるように調整します。そのため、借金総額が多すぎる場合や安定した収入がない場合は適しませんが、自己破産と比較してデメリットが少ない債務整理の方法として知られています。

3.持ち家を維持したい場合は個人再生を検討する

住宅ローンを支払い中のマイホームを絶対に手放したくないという理由で自己破産ができない場合、個人再生を検討するとよいでしょう。個人再生は、裁判所を通して債務を原則として5分の1程度に圧縮する手続です。個人再生には住宅ローン特則という制度があり、その制度を利用することにより、ローン返済中のマイホームを維持したまま債務整理ができます。

まとめ

今回は、破産手続開始の申立てが認められない場合、破産法の規程に基づき免責が認められない可能性がある場合、その他の事情により自己破産できないケース、自己破産ができない場合の対処法などについて解説しました。

免責不許可事由に該当する場合でも、ほとんどの場合は裁量免責により免責が認められます。免責が得られるか不安だという方、保証人に迷惑をかけたくない、持ち家や車を手放したくないという理由で自己破産ができない方は、債務整理に精通した弁護士に相談して、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。

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代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。