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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

自己破産の費用の内訳・弁護士費用の相場と払えない場合の対処法も解説

「自己破産を検討しているけれど、自己破産の手続をするための費用を支払うことができるのかわからない」「自己破産の手続を弁護士に依頼したいけれど、高額な費用を請求されそうで不安だ」
このような疑問や不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、自己破産で必ず納める費用の内訳、手続の種類によって異なる予納金、弁護士費用の内訳と相場、自己破産にかかる費用総額を安く抑えるポイント、自己破産の費用を払えない場合の対処法などについて解説します。

自己破産で必ず納める費用の内訳

自己破産の手続を行う際、必ず納めなければならない費用として、収入印紙代と予納郵券代の2種類があります。まずは、収入印紙代と予納郵券代について説明します。

1.収入印紙代

自己破産の手続を開始するためには、管轄の裁判所に破産手続開始の申立てを行う必要がありますが、その際に収入印紙を準備しなければなりません。収入印紙とは、国庫収入となる租税や手数料、その他の収納金の徴収のため、政府が発行する証票のことです。収入印紙を購入できる場所は以下の通りです。

  • 郵便局:平日の9時~17時が営業時間。細かい金額の収入印紙が扱われている。
  • コンビニ:深夜・土日でも購入可能、200円の収入印紙しか置いていない場合が多い。
  • 印紙売りさばき所:酒屋、たばこ屋、一部書店・商店でも取り扱っている場合がある。
  • 法務局:法務局内の売店で「印紙」の文字が表記されていれば購入可能。

申立の収入印紙代として1,500円がかかりますが、1,500円の収入印紙はありません。そのため、1,000円の収入印紙1枚と、500円の収入印紙1枚を購入することになります。コンビニなどでは200円の収入印紙しか取り扱っていない場合もあるため、収入印紙の種類を豊富に扱っている郵便局で購入することをおすすめします。

2.予納郵券代

予納郵券代とは、いわゆる郵便切手のことで、裁判所から指定された枚数分を納付する必要があります。予納郵券代は、各地方裁判所で費用が異なり、4,000円~10,000円程度の郵券を納める必要があります。破産手続開始の申立を行う地方裁判所の予納郵券代について確認しておくとよいでしょう。
自己破産の手続を進めるにあたり、裁判所は破産者に対して、呼出状や破産管財人の選任等の通知など必要な書類を郵送します。書類を郵送する度に郵便切手を納付させると、手間も時間もかかります。そのため、裁判所は手続で必要だと予想される郵便切手を、予納郵券代として事前に納付させるのです。

手続の種類によって異なる予納金

自己破産の手続を行うためには、予納金を裁判所に納める必要があります。予納金は、官報公告や裁判所により選任される破産管財人への報酬等にかかる費用で、余りが発生した場合は返還されます。
自己破産の手続には、管財事件、少額管財、同時廃止という3つの種類があり、種類ごとに予納金の金額が異なります。手続の種類は、破産申請者が自由に選べるわけではなく、所有財産や調査の必要性などの基準により裁判所が判断します。各手続の概要と予納金について種類別に説明します。

1.管財事件の予納金

管財事件とは、裁判所に選任された破産管財人が破産申請者の財産を調査し、現金化した上で全ての債権者に対して平等に分配する手続です。破産手続の基本形といえる手続ですが、個人の自己破産の場合は、分配できる財産が少ないケースが多いため、管財事件として取り扱われる可能性は低いです。
管財事件の予納金は各地方裁判所の規定や負債総額によって異なりますが、3種類の手続の中で最も高額です。こちらは、東京地方裁判所の予納金です。

負債総額 自然人(個人)の場合
5,000万円未満 50万円
5,000万円~1億円未満 80万円
1億円~5億円未満 150万円
5億円~10億円未満 250万円
10億円~50億円未満 400万円
50億円~100億円未満 500万円
100億円~250億円未満 700万円
250億円~500億円未満 800万円
500億円~1,000億円未満 1,000万円

管財事件の予納金について詳しく知りたい方は、管轄の地方裁判所でご確認ください。

2.少額管財の予納金

東京地方裁判所をはじめ、多くの地方裁判所では、管財事件を簡素化した少額管財という運用も行われています。少額管財を行っていない地方裁判所もありますが、少額管財を行っている地方裁判所では、個人の自己破産の多くは少額管財として扱われます。
少額管財では予納金を少額に抑える代わりに、本来は裁判所で行う手続の一部を破産申請者が依頼した弁護士が行うことになります。そのため、弁護士への依頼が必須条件となります。
少額管財の予納金の金額も管財事件と同様に各地方裁判所によって異なります。東京地方裁判所の場合、原則として20万円とされています。また、1万円程度の官報公告費も必要となります。

3.同時廃止の予納金

同時廃止は、破産申請者が破産手続費用を支払うための資金を所持していないことが明らかな場合に、破産手続開始と同時に破産手続廃止の決定をする手続のことをいいます。同時廃止では、破産管財人は選任されないため、破産管財人の報酬は不要となります。そのため、裁判所に納める予納金は3種類の手続の中で最も低額となります。
同時廃止の予納金も地方裁判所ごとに異なりますが、1万円程度の官報公告費を含めて2万円以内で収まることが多いでしょう。
以前は個人の自己破産の約9割程度が同時廃止として扱われていましたが、資産隠しなどの不正行為が生じる可能性があることから、最近は減少傾向にあります。東京地方裁判所では、手元の現金が33万円未満の場合のみ原則として同時廃止事件として取り扱われます。ただし、資産の内容等に疑わしい点がある場合は少額管財として扱われる場合もあります。

弁護士費用の内訳と相場

自己破産の手続を弁護士に依頼した場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。以前は日本弁護士連合会が定めた弁護士報酬規定により、弁護士報酬(費用)が定められていましたが、2004年に廃止されたため、現在は法律事務所によって弁護士費用が異なります。個人が自己破産の手続を依頼した場合の弁護士費用の相場は20万~50万円程度で、内訳は以下のとおりです。

料金の内訳 内容 金額の相場
相談料 弁護士に相談した際に支払う費用 0~1万円程度
着手金 依頼時に支払う費用 20万~30万円程度
報酬金 手続が完了し免責許可を得た場合に支払う費用 0万~30万円程度

自己破産の場合、債権者の人数、負債総額、免責不許可事由が存在するか否か等により、弁護士が費やす労力が異なるため、労力に応じて料金が増減する場合もあります。免責不許可事由とは、借金の主な原因がギャンブルや浪費であるなど、免責が認められない可能性のある事由のことです。免責不可事由が存在する場合でも、裁判所の裁量により免責が認められる可能性はあります。弁護士から適切なアドバイスを受けることにより、免責が認められる可能性が高くなります。免責不許可事由について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしていただければと思います。

法律事務所で説明を受けて納得した上で契約をすることが大切です。

自己破産にかかる費用総額を安く抑えるポイント

自己破産を検討している方の多くは、自己破産にかかる費用は可能な限り安く抑えたいとお考えかと思います。自己破産にかかる費用の総額を抑えるポイントについて説明します。

1.自分で手続すれば弁護士費用を節約できる?

「弁護士に依頼しないで自分で手続をすれば、弁護士費用を節約できるのでは?」と思う方もいらっしゃるかと思います。少額管財の場合は弁護士に依頼することが条件となるため、弁護士に依頼しないで手続を進めることはできませんが、それ以外の場合は自分で手続を行うことも可能です。
ただし、自己破産の手続のためには、申立書、陳述書、債権者一覧表、財産目録など、膨大な量の書類を用意する必要があり、書類の内容に不備があると、手続が滞ります。

2.弁護士に依頼すると総額が安くなる可能性も

弁護士に依頼しないと、少額管財で手続を進めることはできません。同時廃止で手続が可能な条件に該当しない場合、少額管財を選ばないと、管財事件として手続を進めることになり、多額の予納金を納めなければなりません。少額管財の運用を行っている地方裁判所では、弁護士に依頼して少額管財の手続を進めた方が、裁判所に支払う予納金の金額を大幅に抑えられるため、費用総額を安く抑えられる可能性もあります。また、弁護士に依頼すると、即日面接という制度を利用することができるため、通常よりも早く手続を完了できる可能性もあります。

自己破産の費用を払えない場合の対処法

「自己破産を検討しているけれど、手持ちの資金が少なくて、必要な費用の支払いが難しい」「自己破産の手続を弁護士に依頼をしたいけれど、支払いができるかわからない」などという方もいらっしゃるかと思います。自己破産にかかる費用の支払いが難しい場合の対処法について説明します。

1.法テラスの民事法律扶助制度を活用する

自己破産にかかる費用の支払いが難しい場合は、日本司法支援センター(通称:法テラス)に相談することをおすすめします。法テラスは、経済的な事情などにより弁護士に相談できない方に対して、無料の法律相談や弁護士費用の立替えを行う民事法律扶助制度というサービスを提供しています。立替えてもらった費用は、原則として、月額5,000円~10,000円の分割払いで償還していくことになります。民事法律扶助制度を利用するためには、収入が一定額以下である等の条件を満たす必要がありますので、利用を検討される場合は法テラスの公式サイトで利用条件をご確認ください。

2.分割払いに応じてくれる法律事務所を選ぶ

弁護士費用(着手金・報酬金)を一括で支払うことが難しいという場合は、法律事務所に相談する際に、分割払いが可能かどうか確認するとよいでしょう。着手金については、一括払いを原則としている法律事務所も多いですが、依頼者の経済状況に応じて、分割払いに対応している法律事務所も存在します。

まとめ

今回は自己破産で必ず納める費用の内訳、手続の種類によって異なる予納金、弁護士費用の内訳と相場、自己破産にかかる費用総額を安く抑えるポイント、自己破産の費用を払えない場合の対処法などについて解説しました。
免責不可事由に該当する可能性がなく同時廃止の条件を満たす方の場合、裁判所に提出書類を不備なく揃えることができるなら、弁護士の力を借りずに自己破産の手続ができる可能性はあります。それ以外の方は、弁護士に依頼した方が、費用を抑えながら、自己破産を実現できる可能性が高いです。経済的に苦しい場合は、法テラスが提供する民事法律扶助制度の活用や法律事務所の分割払いの利用などを検討するとよいでしょう。

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代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。