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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

相手が既婚者だと知らなかった場合の不倫|証拠になるものを解説

「相手が既婚者であると知らないで交際してしまった…。」

交際相手が既婚者であると認識しておらず、交際相手の配偶者から慰謝料を請求された際に、初めて既婚者だと知った場合。

多くの人はパニックになると思いますが、適切に対応することが大切です。

そもそも、既婚者であることを知らない場合には、慰謝料を支払う義務はありません

既婚者であることを知らなかった証拠を探し、相手との話し合いに応じましょう。

今回の記事では、相手が既婚者だと知らなかった場合の、不倫の慰謝料について解説していきます。

過去の判例など具体例を示しながら解説していますので参考にしてください。

既婚者だと知らなかった場合の慰謝料請求

「既婚者だと知らなかったため、慰謝料を支払う義務はない」という主張は納得できますが、「相手が既婚者だと知らなかった」という主張が通用するケースは、実際にはそう多くありません。

なぜなら、交際相手との関係における交際中や交際前の様々な出来事に目を向け相手にしっかり注意を払っていれば、その相手に配偶者がいたことに気づけた可能性が高いと判断されるためです。

このように、相手に配偶者がいることに気づけた状況であったにもかかわらず、不注意で気付かなかったことを「過失」と言います。

既婚者と知っていてわざと浮気をしていた「故意」だけでなく、知らなかったまでも気を付ければ既婚者だと勘づくことは可能だったのではないかという「過失」が認められてしまうと、民法上の不法行為が成立し、交際相手の配偶者に対して慰謝料の支払義務が生じてしまいます。

過失が認められた場合には、たとえ本当に相手が既婚者だと知らなかった(故意がなかった)としても、「不貞」と判断されてしまいます。

そのため、本当に相手が既婚者だと知らなかった場合は、その立証を行うことが大切です。

立証に悩む場合は、弁護士に相談しましょう。

相手が既婚者だと知らなかったこと、知らなかったことについて過失がなかったことを示す証拠の例

上述のように、相手が既婚者であることを知らなかったことを理由に慰謝料の支払いを避けようとする場合、相手が既婚者であることを知らなかっただけでなく、知らなかったことについて過失がないことも主張することが肝要です。

そのような証拠としては、以下のようなものが考えられます。

相手が未婚だと嘘をついた証拠

何よりもまず必要な証拠は、相手が未婚だと嘘をついた証拠です。

嘘を裏付けるためには、独身であることをアピールするような内容のメールやLINE・SNSなどで発信されたメッセージの履歴が有効です。

ただ、「自分は独身である」というメッセージが残っていただけではあなたの「過失」が否定される証拠として不十分だと判断される場合が多いです。あなたが相手の嘘に気づくことができた可能性が否定されないからです。

交際中、相手の家になかなか入れてもらえない、外出がほとんどなく会う時はいつもラブホテルだった、電話をかけても出てくれない、長期休暇を一緒に過ごすことができない、といった不審な点が少しでもあった場合は、あなたの「過失」が認められ、慰謝料を支払う義務が生じてしまうことも多いにあり得るのです。

結婚の準備を進めていたという証拠

交際相手があなたと結婚する意思を表明していた場合は、それを立証することが、相手が既婚者であることを隠していたことの有効な証拠となります。

例えば、交際相手にプロポーズされた、婚約指輪をもらったという場合は、あなたの過失は高い確率で否定されるでしょう。相手が既婚者であると疑う余地がないと判断されるからです。

他にも、結婚式の準備を進めていた、あなたの両親に結婚の挨拶を済ませていたという状況も、相手が未婚であると嘘をついていた証拠として有効でしょう。

婚活パーティーなどで知り合ったという証拠

肉体関係を持った人が独身者向けの男女の出会いの場(婚活パーティー、独身者向けマッチングアプリ等)で出会った人であれば、その事実を主張しましょう。

一般的に独身男女のみが利用するような出会いの場で知り合った場合には、誰しも相手が未婚者だと考えるからです。

過去の事例を見ても、婚活パーティーで出会った相手とのトラブルに巻き込まれてしまうケースは少なくありません。

入会や登録するためには独身であることが最低条件で受付時には何らかの証明が必須とされるところもあるため、独身者が集まる婚活パーティーの記録によってあなたに過失がなかったと証明できる可能性は十分に残されています。

また、マッチングアプリなどで相手のプロフィールに「独身」と書かれていた場合も、相手が嘘をついていた証拠になります。相手がプロフィールを変更する前に証拠として残しておくことをおすすめします。

すでに離婚したと嘘をついていた証拠

結婚はしていたがすでに離婚が成立しており、現在は独身であると嘘をつかれていた場合はその証拠を残しておきましょう。

例えば、相手がメールやLINEで「自分は独身である」という内容のメッセージを送っていた場合は有効な証拠です。

ただし、「本当は離婚が成立していないのでは」と推測出来得る状況があった場合は「過失」が認められ慰謝料の請求に応じなければなりません。

例えば、相手がまだ元の配偶者と同居している、頻繁に連絡を取り合っている、長期休暇を元の配偶者と過ごしている、結婚指輪をつけているという状況は「過失」が認められる可能性が高いです。

交際相手から脅迫を受けていた証拠

交際中に相手が既婚者であることが発覚したため関係を解消しようとしたら、不倫をしていたことを職場や家族にバラすと脅されていた、というケースも少なくありません。

故意ではなかったものの不倫をしていたという事実が職場や家族にバレることを恐れて、そのまま既婚者との交際を続けてしまうというのです。

その結果、交際相手の配偶者に不倫がバレて慰謝料を請求された場合、慰謝料を支払う義務は生じない可能性が高いです。

相手の脅迫により、関係を続けざるを得なかった状況であるためです。

しかし、この状況も立証できなければ「不倫」と認められてしまいます。

交際相手に脅迫された音声やメッセージのやりとりなどをきちんと証拠として保管しておくことが大切です。

既婚者だと知らずに不倫してしまったときは弁護士に相談

今回は、相手が既婚者だと知らずに関係を結び、結果的に相手の配偶者から慰謝料を請求された場合について解説しました。

信じていた相手に裏切られた悲しさは計り知れませんが、法に則った慰謝料請求に関する問題は、やはり法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

あなたが気が付いていないものでも、相手が嘘をついていた証拠として活用できるものがあるかもしれません。

「相手が既婚者であると知らなかった」ことを立証するためにはやはり弁護士に頼ると良いでしょう。

また、ケースによっては虚偽の申告をされたあなたが相手を訴えることも可能など(貞操権侵害に基づく慰謝料請求)、検討していく価値のある案件です。

法律のプロによるアドバイスで最善の方法を模索してみましょう。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。