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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

弁護士なしも可能?自分で慰謝料を請求する方法|メリット・デメリットを解説

不倫や不貞行為をされてしまった場合、多くの方は配偶者に慰謝料請求を検討するでしょう。

しかし、弁護士を立てる場合は費用が高額になってしまうため、実際の請求は足踏みする方も多いのが実情です。

そこで今回は、弁護士を立てずに慰謝料を請求する方法と、そのメリットやデメリットを解説します。

弁護士なしでも慰謝料請求は出来る?

慰謝料請求に関して、弁護士を立てないと請求できない、または裁判を起こさないと請求できないと思っている方は意外と多いです。

しかし、実際は慰謝料の請求に必ずしも弁護士をつけなければならないわけではありません

弁護士を立てずに慰謝料請求をすることで、弁護士費用がかからずに済むというメリットがあります。

弁護士なしで慰謝料請求をするメリット

費用がかからない

弁護士を立てずに慰謝料を請求する一番分かりやすいメリットとして、弁護士費用がかからないという点が挙げられます。

慰謝料請求の際に弁護士を利用すると、着手金として20〜30万円、さらに慰謝料が獲得できた際はその金額の10〜20%を報酬金として支払わなければなりません。

このため、結果的に慰謝料が獲得できなかったり、非常に少額の場合は、慰謝料請求を行うことで赤字になってしまったりする可能性もあります。

やりとりに時間がかからない

弁護士を立てた場合、相手との話し合いや交渉はすべて弁護士を通して行います。

このため、相手とのやり取りに時間がかかってしまう可能性があります。

弁護士を立てない場合は、基本的には相手と直接対面、電話または書面でやり取りをするため、場合によっては即時解決ができることもあります。

弁護士なしで慰謝料請求をするデメリット

相手に弁護士がついた時に不利になる

不倫相手や配偶者に慰謝料を請求した場合、請求された相手が弁護士を立ててくるケースがあります。

この場合、法律のプロフェッショナルである弁護士と法の素人が対等に議論を交わすことは非常に困難です。

慰謝料請求をしても相手側の弁護士から様々な反論を受け、慰謝料の請求を断念せざるを得なくなってしまう可能性があります。

また、話し合いが決裂した場合に訴訟を起こそうとした場合にも、訴状の作成や証拠書類の収集・提出は一定の作法があり法的手続の素養がない方には困難です。

仮にそれをなんとかやったとしても、法廷で相手側にのみ弁護士がいるという状況は、その弁護士からの反論に対処するに足りるだけの主張や証拠を随時提出していかなければならず、やはり多大なる困難や不利を伴います。

したがって、相手側に弁護士がついてしまった場合は、こちらも弁護士を立てるのが賢明です。

合意内容が書面化しづらい

話し合いなどによって相手側が一度慰謝料の支払いを了承したとしても、証拠としてそれを書面化しなければ意味がありません

書面化しなければ、相手側がいくらでも言い逃れができてしまうからです。

しかし、合意を書面化する作業は法の素人にとっては煩雑な作業です。

書面の内容に不備があったり、合意内容を破った際のペナルティの設定を適切に行なっていなかったりすれば、結局相手側に言い逃れの余地を与えてしまいます。

合意の書面化に自信がない場合は、合意までは直接交渉で取り付け、書面化だけ弁護士に相談する、というのも一つの手です。

弁護士なしで慰謝料請求を行う方法

弁護士なしで慰謝料請求を行う方法は、大きく以下の3つです。

話し合いで請求する

慰謝料を請求する最もシンプルな方法は、相手との話し合いの場を設けて請求することです。

慰謝料の支払額や、パートナーとの今後の接触禁止などについて相手と話し合い、合意が得られれば書面化します。

話し合いで請求する一番のメリットは、迅速な解決が望めることです。うまく行けば1日で慰謝料の支払いを取り付けられる可能性があります。

また、直接対峙することで相手にとって準備の時間を設けさせず、不貞の証拠が不十分でない場合に相手が不貞の事実を認めるなど、自身にとって不利なことを口にする場合もあります。

ただし、話し合いとなると不倫された相手と顔を合わせることになるため、多少の精神的苦痛は免れません

また、話し合いで解決することにこだわりすぎると、慰謝料の請求金額を相手の同意を得られる額まで下げざるを得なくなってしまうため注意が必要です。

話し合いで適切な額の慰謝料が請求できないと感じた場合は、別の手段を検討すべきです。

内容証明郵便で請求する

内容証明郵便とは、誰が、誰に、どんな内容の手紙を出したのかを郵便局が公的に証明してくれる郵便のことです。

不倫の慰謝料だけでなく、様々な損害賠償請求をする際に利用されています。

ただ、あくまでも手紙を出した事実を証明するだけなので、慰謝料の請求額の正当性を示すものではないことに注意が必要です。

不倫された相手と顔を合わせるのが苦痛という方は、内容証明郵便で慰謝料を請求するのがよいでしょう。

こちらも首尾よく進めば、一度請求書を送付するだけで、解決に至る可能性があります

ただ、その後も引き続き書面で交渉が続く場合は、話し合いよりも効率が劣ってしまいます。

訴訟提起で請求する

話し合いや内容証明郵便で慰謝料を請求したとしても、必ずしも解決に至るとは限りません。

たとえ不貞が事実だったとしても、相手が数十万円〜数百万円の請求金額を素直に支払ってくるというケースは非常に稀です。

交渉を続けても解決への道筋が見えない場合は、訴訟を提起することによって、裁判上の請求に切り替える必要があります。

訴訟を提起する際は、簡易裁判所または地方裁判所に対して、訴状や不倫・不貞の証拠などを提出します。

訴訟提起で慰謝料請求する一番のメリットは、「判決に法的強制力がある」という点です。

一度判決で慰謝料の支払いが決定されれば、たとえ相手が支払いに応じなくても強制的に相手の財産や債権を差し押さえることが可能です。

ただ、訴訟から判決までには半年〜1年半程度の期間を要し、手続の工数も大きいため注意が必要です。

弁護士なしで慰謝料請求を行う際に注意するポイント

弁護士を立てずに慰謝料請求を行う場合は、以下の点に注意しなければなりません。

怒りや勢いに任せて慰謝料を請求すると、話し合いが長引いたり、逆に請求する側が不利になったりしてしまうこともあります

ゴールを明確にする

一番大事なことは、慰謝料を請求した後のゴールを明確にすることです。

「何のために」、「どれくらいの額を」請求するのかを自分の中で明確にしておきましょう。

具体的には、「今後、配偶者と別れた際に最低限の生活を送ることができるよう、ひと月あたりの生活費10万円×1年分=120万円を請求する」など、目的と数字を明確に定めておくことが必須です。

特に、専業主婦で離婚される方や、まだ若くて稼ぎがない人は、こういった注意が必要です。

また、「浮気相手と古くからの仲であり、浮気が悪質なため、どうしても浮気相手に高額な慰謝料を請求したい」という人もいます。

こういった人は、高額な慰謝料をもらうことで、少しは気が落ち着くでしょう。
支払いを受けたい金額の最低金額(=ゴール)が明確でないと、どのような金額を提案されても納得ができず、判決を得なければ解決に至らない可能性があります。

とはいえ、慰謝料の請求金額には「相場」というものがありますから、「自身で自由に設定できる」というものではありません。

弁護士に相談の上、自身のケースではいくらぐらいが相場なのかを意識した上で、それとの兼ね合いで慰謝料金額を決定していくのが良いでしょう。

冷静に対応する

ほとんどの方は、配偶者とその不倫相手、すなわち慰謝料を請求する相手に大きな怒りを感じているはずです。

しかし、感情に任せて交渉を進めても解決への近道にはなりません

相手の合意を得て慰謝料を獲得するために、冷静に対処する必要があります。

証拠を確保しておく

不倫の慰謝料を請求する場合は、事前に不倫・不貞行為の証拠を残しておくのが賢明です

証拠がない状況で慰謝料を請求しても、「証拠は?」と言われて突き返される可能性があります。

請求してから証拠を集めようとしても、相手が警戒して証拠を隠滅するでしょう。

また、訴訟においても証拠がない場合は請求側が不利になるケースがほとんどです。

このため、慰謝料請求を検討する際は、必ず事前に証拠集めを行うことが重要です。

まとめ

不倫の慰謝料を請求する際、必ずしも弁護士を立てる必要はありません。

話し合いや郵便でのやり取りで請求することで、弁護士を立てずに迅速な解決ができるケースもあります。また、訴訟提起をする際も、弁護士がいなければ訴訟的そのものができないというものではありません。

このため、不倫をされてしまった際は自力で慰謝料請求をするのも、費用面などを考慮すると特に、有効な選択肢だと言えるでしょう。

ただし、弁護士を立てずに慰謝料を請求する場合は、請求する目的・ゴールを明確化し、証拠を確保して冷静な話し合いをすることが求められます。さらに、相手に弁護士がついてしまった場合は議論の上で非常に不利になってしまうため、最終的には弁護士に依頼するのが賢明ではあります。

自分のケースと照らし合わせ、初回無料相談の法律事務所を探し、まずは弁護士に相談したうえで、弁護士をつけるかどうかを検討してみることをおすすめします

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。