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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

不倫相手が妊娠した場合の適切な対処法と注意点・法律上のリスクも解説

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今回は、不倫相手から妊娠したと告げられた際にすべきこと、不倫相手が出産する場合の認知や養育費支払いの義務、妻と離婚する場合の注意事項、不倫相手が中絶する場合の慰謝料の必要性と手術費負担などについて解説します。

不倫相手から妊娠したと告げられた際にやるべきこと

不倫相手の女性から「私、妊娠したみたい」などと告げられた際、まずは落ち着いて状況を確認し、誠実に対応することが大切です。具体的にどのようなことをすべきか時系列で説明します。

1.妊娠の事実を確認する

事実確認は市販の妊娠検査薬などを利用する方法もありますが、産婦人科を受診する方が確実です。
中絶を選択する可能性がある場合、中絶可能な期間に限りがありますので、できる限り早めに妊娠の事実を確認することをおすすめします。現在は出生前親子鑑定により妊娠した子供の父親を調べることも可能です。本当に自分が父親であるか疑問がある場合は、出生前親子鑑定を受けることを検討してもよいでしょう。

2.中絶・出産の意思を確認して話し合う

妊娠した子を出産するのか中絶するのか、不倫相手の女性と話し合う機会を設けましょう。中絶できる期間は通常、妊娠22週未満とされています。また、妊娠12週目以降の中期中絶手術は母体への負担が大きく、一般的に数日間の入院が必要となります。女性の体のためにも、できる限り早く結論を出す必要があるという点には留意しておきましょう。ただし、最終的な決定権は妊娠した女性にあるため、中絶を強要することはできません(母体保護法第14条)。

不倫相手が出産する場合は認知・養育費の支払いが必要

不倫相手が出産を決意した場合、子供との間に血縁関係が認められる以上、認知する必要があります。認知が必要となる法的根拠や認知により発生する養育費の支払い義務について説明します。

1.認知とは

婚姻関係にない男女の間に生まれた子供のことを法律用語で非嫡出子といいます。不倫相手の女性が子供を出産した場合、その子供は非嫡出子となります。非嫡出子である子供を、自分の子供であると認めることを認知といいます。認知は身分行為であり、認知により、認知した男性と認知された子供の間に法律上の親子関係が成立します。親子関係が成立することで、男性は父親として子供に対する扶養義務を負い養育費の支払義務も負います。
さらに、産まれてくる子供は父親の相続権も有することになります。

2.任意認知と強制認知

認知には、以下の2つの種類があります。

  • 任意認知:父親である男性が認知に同意した上で認知の手続を行うこと(民法第779条)
  • 強制認知:女性が家庭裁判所に対して強制認知の訴えを提起し、家庭裁判所における認知調停で父子の生物学的親子関係が認められた場合に、強制的に親子関係を発生させること(民法第787条)

つまり、男性が認知を拒否したいと考えていても、女性が強制認知の訴えを提起し、DNA鑑定などで生物学的親子関係が認められた場合は強制的に認知させられます

3.認知により養育費の支払い義務が発生

不倫相手の子供を認知すると、扶養義務が生じるため、養育費の支払い義務を負うことになります。養育費の金額は、双方の収入や状況などに応じて決定されます。養育費の目安として、裁判所が公開している養育費算定表が用いられることが多いです。

厚生労働省が公表している『全国ひとり親世帯等調査結果報告』によると、養育費の平均は月額3万円~4万円程度です。
不倫相手の女性はいつでも養育費の支払いを求めて訴えることができます。

4.隠し子の存在が家族に知られる可能性

既婚男性が不倫相手との子供を認知すると、戸籍に認知した子供の名前が記載されます。そのため、戸籍の記載がきっかけで、妻や家族に隠し子の存在を知られる可能性があります。

妻と離婚する場合の注意点

不倫相手の女性と結婚したいという意思をお持ちの場合、妻と離婚して、不倫相手の女性と再婚するという選択肢を検討してもよいでしょう。妻と離婚する場合の注意点について説明します。

1.妻が離婚に応じない場合

夫婦のうち、不貞行為をした等の離婚原因を作った方を有責配偶者といいます。有責配偶者が離婚を望んだ際に相手が離婚に応じた場合は、協議離婚が成立します。協議離婚が難しい場合でも、離婚調停を起こすことにより調停離婚が成立する場合もあります。
以前は、有責配偶者側からの裁判による離婚請求は、社会道徳、倫理に反することから、原則として認められませんでしたが、昭和62年9月2日に最高裁判所が一定の要件可で有責配偶者からの離婚請求を認めるという判決を下したことから、現在は一定の要件を満たせば認められる場合があります。具体的な要件は以下の通りです。

  • 夫婦が長期間に渡り別居している
  • 夫婦の間に未成熟子(経済的に独立していない子供)がいない
  • 離婚される側の配偶者が離婚により精神的、社会的、経済的に過酷な状況に陥らない

実際に裁判で争われた場合、個別具体的な事情を上記の要件に照らし合わせて判断されることになります。

2.慰謝料を請求される可能性

自分の不倫が原因で妻と離婚する場合、不貞行為を理由に妻から慰謝料を請求される可能性が高いです。一般的に不貞行為による慰謝料の相場は50万円~300万円といわれています。しかし、妊娠という事実がある場合、妻の精神的苦痛が大きいとされ、慰謝料の額は大きくなる傾向にあります。
不貞行為による慰謝料は相場よりも高い金額を請求されるケースが多いです。不倫問題に精通した弁護士に依頼すると、交渉術を駆使して減額の交渉をしてもらえます。弁護士に依頼する費用はかかりますが、慰謝料の減額に成功すれば、負担総額を大幅に抑えることも可能です。
不倫で慰謝料請求された場合の弁護士費用の相場や費用が用意できない場合の対処法などはこちらの記事にまとめていますので、参考にしていただければと思います。

不倫相手が中絶する場合の慰謝料と手術費負担

不倫相手が最終的に中絶を選択した際、不倫相手に対し慰謝料を支払う必要はあるのでしょうか。また、中絶の手術費用は負担すべきなのでしょうか。不倫相手が中絶する場合の慰謝料と中絶手術の費用負担について説明します。

1.父性としての義務を怠ったことで慰謝料を求められる場合も

女性は出産を希望していたのに、男性が中絶を強く求め続けたため、中絶を余儀なくされたというケースでは、女性から、精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求されることもあるかもしれません。。
妊娠により女性は身体的・精神的苦痛と経済的不利益を被っています。そのため、男性は女性の苦痛や不利益を軽減、解消すべき父性としての義務があると判断した裁判例があります(東京高等裁判所平成21年5月27日判決)。父性としての義務を怠った結果、法的紛争に発展した場合、慰謝料や損害賠償の支払いを命じられる可能性もあるという点は認識しておきましょう。例えば、不倫相手の女性から妊娠を告げられた際、話し合いに全く応じない、女性からの連絡を無視し続ける等の不誠実な対応を行った場合、父性としての義務を怠ったと判断される可能性があるでしょう。

2.中絶手術の費用は半額負担

不倫相手が中絶する場合、一般的に、中絶にかかる費用の約半分を負担する必要があるとされています。人工妊娠中絶の手術費用は、中絶を受ける時期により異なります。

まとめ

今回は、不倫相手から妊娠したと告げられた際にやるべきこと、不倫相手が出産する場合の認知や養育費支払いの義務、妻と離婚する場合の注意事項、不倫相手が中絶する場合の慰謝料の必要性と手術費負担などについて解説しました。
不倫相手の妊娠をきっかけに、不倫相手や妻との間にトラブルが発生するケースも少なくありません。高額な慰謝料を請求される等の問題が起きた場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

私達、東京スタートアップ法律事務所は、不倫問題でお悩みの方が不当な負担を強いられないよう全力でサポートしております。秘密厳守はもちろんのこと、分割払い等にも対応しておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。