刑事事件CATEGORY
刑事事件
投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

準強制性交罪とは?構成要件や刑罰、慰謝料について事例付きで解説

刑事事件の弁護士相談

刑事事件では「一日の依頼の遅れ」が、大きな結果の違いを生みます。

  • ご家族が逮捕されてしまった方
  • ご本人で逮捕されそうな方
  • 警察や検察から呼び出しを受けている方

など

依頼者様の権利を守るために、全力でサポートいたします。

東京スタートアップ法律事務所までまずはお電話、メールでお問合せ下さい。

自分や家族が準強制性交罪に問われてしまった場合、どのように対処するべきなのでしょうか?
準強制性交罪とはどのような罪であるのかを踏まえた上で、準強制性交罪の刑罰や逮捕されてからの流れについて分かりやすく解説していきます。

準強制性交罪とは?

準強制性交罪の構成要件

準強制性交罪について、刑法第178条には以下のような記載があります。

準強制わいせつ及び準強制性交等
第百七十八条
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

被害者の意識が完全に無い場合を「心神喪失」、意識はあるが抵抗できない状況である場合を「抗拒不能」と言います。
つまり、被害者が何らかの理由で意識がない、もしくは抵抗できない状況において、性交やわいせつな行為を行った場合は準強制性交等罪が成立するということです。

準強制性交罪の刑罰

先ほど紹介した準強制性交等罪に関する刑法の条文の中に、「第百七十六条の例による」とありますが、これは刑法第176条の「五年以上の有期懲役に処する」が適用されるという意味です。

つまり、準強制性交等罪で有罪判決を受けた場合は5年以上の有期懲役が科せられるということです。

強制性交等(旧 強姦)罪との違い

準強制性交等罪は強制性交等罪(旧 強姦罪)との違いがよく取り上げられます。
強制性交等罪については刑法第177条に以下のような記述があります。

強制性交等
第百七十七条
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔くう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする

強制性交等罪はいわゆる「レイプ」と言われるような行為を罰するものです。
これに対して、準強制性交等罪とは、心神喪失または抗拒不能となった人に対し性交等を行った場合に成立するものです。

罪名の頭に「準」と付いていることから準強制性交等罪は強制性交等罪よりも「軽い」行為であると捉えられたり、未遂行為のことを指すと勘違いされたりしますが、準強制性交等罪は強制性交等罪と同様5年以上の有期懲役が科せられる重い罪であることに変わりはありません

準強制性交等罪で逮捕された場合

逮捕後の流れ

準強制性交等罪で逮捕された場合、警察での取調べが行われ、逮捕後48時間以内に検察庁に身柄が拘束されます。
そこで検察官が取調べを行い、引き続き身柄を拘束する必要があると判断された場合は「勾留」されます。

例えば、捜査を進める上で被疑者の身柄拘束が必要であったり、被疑者に逃亡・証拠隠蔽の危険性があると判断されたりした場合は勾留されます。

勾留期間は原則として最大10日ですが、検察が勾留延長を請求しそれが認められた場合はさらに10日間勾留が延長されます。
結果、この場合は最長で20日間の勾留に服することになります。

その後、検察官により起訴・不起訴の判断がなされ起訴された場合は刑事裁判へと進みます。

逮捕中は弁護士以外との面会は難しい

逮捕中、つまり警察で身柄を拘束されている期間中は家族と被疑者が面会することは極めて困難です。

逮捕中の被疑者が外部の人間と連絡を取るためには弁護士を通す必要があるため、家族や身の回りの人が準強制性交等罪で逮捕された場合は、速やかに弁護士に依頼して面会(「接見」と言います。
)してもらい、被疑者とのやり取りを試みることをおすすめします。

また、勾留中は家族も面会することが可能です。
ただし時間制限や回数制限、人数制限等があり、さらに警察官が立ち会う必要もあるため自由度は低いです。

場合によっては被疑者と外部の人間との接見禁止が決定されることもあり、その場合は被疑者と面会できるのは弁護士のみとなります。

【判例】準強制性交等罪で起訴された事例

ここからは実際に準強制性交等罪で起訴された事例とその判決をいくつかご紹介していきます。

刑罰は犯行の悪質性や計画性など様々な事情によって異なりますが、懲役相場の参考としてぜひご覧ください。

飲酒により意識が朦朧としていた女性に対して性的暴行を行った事例│懲役4年

2017年5月、福岡市の飲食店における社会人サークルの飲み会で、飲酒して抵抗できない状態の女性(当時22歳)に対して店内で性的暴行を行った事件。

この事件は2019年3月の第一審では無罪判決が下されたが、2020年2月その判決を破棄し、被告人に懲役4年を言い渡した。

女性をナンパして酔わせた状態で性交に及ぶ行為を繰り返した事例│懲役5年〜7年

「ナンパ」やモテる方法を指南する「リアルナンパアカデミー」について、準強制性交等罪に問われたメンバー4人にそれぞれ5年〜7年の実刑判決が下された。

女性をナンパして酔わせた状態で性交に及ぶ行為を繰り返したことが準強制性交等罪に該当していた。
リアルナンパアカデミーの「塾長」については懲役14年が求刑されている。

準強制性交等罪に問われた際の対処法

自分や家族が準強制性交等罪に問われた場合、どのように対処するべきなのでしょうか?ここからは具体的に何を行うべきなのかを詳しく解説していきます。

被害者との示談交渉を行う

まずは早急に被害者への謝罪を行い、示談交渉を申し出ましょう。
準強制性交等罪は被害者の権利を侵害する重い犯罪です。
そのため、罪の重さを決定する検察や裁判官は被害者の処罰感情を重視すると言われています。

つまり、被害者が被疑者を重く罰してほしいと強く望んでいる場合は、より重い罪に科せられる可能性が高くなると考えられるということです。

そのため、被害者と示談交渉を行い被疑者に反省の意があることを示すことで、被害者の処罰感情を少しでもおさめるという狙いがあります。

また、被害者が事件を公にすることを避けたいため起訴しないという場合もあります。

準強制性交等罪は非親告罪であるため、告訴等が取り下げられたとしても必ずしも不起訴になるとは限りませんが、被害者の協力がなければ事件を立証することは難しいため不起訴処分を得ることができる可能性は十分にあります。

謝罪文を書く

被疑者との示談交渉が重要であると述べましたが、そもそも示談交渉に応じてくれない場合も少なくありません。

被害者が示談交渉に応じてくれない理由としては、被疑者への恐怖心や怒りからやり取りをしたくないというものが考えられます。

この様な状況を改善するためには、まずは被害者に対して反省の意を表明した謝罪文を書くという手段が考えられます。
被害者に謝罪文を読んでもらい、被疑者への恐怖心や怒りを少しでも和らげてもらうという狙いがあります。

また、被疑者本人や被疑者家族が示談を申し出ても断られてしまう危険性がありますが、弁護士を通して示談を申し出た場合は申し出に応えてもらえる可能性は高くなると考えられます。

まずは弁護士に依頼し、謝罪文を書いたり、示談交渉をおこなったりなど正しい対処法をとることをおすすめします。

準強制性交等罪に関するご相談は弁護士へ

ここまで準強制性交等罪について解説してきましたがいかがでしたか?
準強制性交等罪で逮捕されてしまった場合、逮捕・勾留中は弁護士を通して外部の人とやり取りをするしかないという状況が起こり得ます。
また、被疑者との示談を行う際にも弁護士がいたほうが交渉を有利に進めることができる可能性が高いです。

つまり、準強制性交等罪に問われた場合、まずは弁護士に依頼することが重要であるということです。

あなたやご家族が準強制性交等罪に問われてしまった方はぜひご相談ください。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。