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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

傷害罪で不起訴を獲得するには?傷害罪の起訴率や被害者との示談について

あなたやあなたの身の回りの人が傷害罪に問われてしまった場合、どのようにすれば不起訴処分を獲得できる可能性が高くなるのでしょうか?

今回は、傷害罪で不起訴処分を獲得するための対応について詳しく解説します。

傷害罪で逮捕された後に起訴される確率や、起訴・不起訴の判断を左右する事情について知っておくことで、適切な対応をとることができるかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。

傷害罪で不起訴になる割合・可能性

傷害罪の起訴率は?

傷害罪で不起訴になる可能性はある

傷害罪で逮捕されても、必ずしも起訴されるとは限りません

例えば、その行為がそもそも傷害罪の構成要件に該当していない「罪とならず」や罪を立証するのに十分な証拠がない「嫌疑不十分」などで不起訴処分になる可能性があるからです。

傷害罪の起訴率は約40%

では、傷害罪で逮捕された場合、どのくらいの確率で起訴されるのでしょうか?

平成29年版の犯罪白書によると、平成28年の傷害罪の起訴合計が8,161件、不起訴合計が13,813件で、起訴率は37.1%だったそうです。

つまり、傷害罪で逮捕された場合でも半分以上の確率で不起訴処分を獲得することができるということです。

傷害罪の不起訴処分に関わる事情とは?

では、どのような事情が起訴・不起訴の判断を左右するのでしょうか?

具体的なポイントを見ていきましょう。

起訴・不起訴の判断に関わるポイント

傷害罪で逮捕された後、検察官によって起訴・不起訴の判断がなされます。

その際の判断要素は様々あり、以下がその一例です。

  • 傷害結果の重大性
  • 犯行に至った経緯
  • 凶器の有無
  • 被害者との示談が成立しているか
  • 反省の有無・再犯のおそれ
  • 被害者や社会の処罰感情
  • 犯行の社会的影響の有無、程度
  • 犯行の動機や目的
  • 加害者の前科・前歴

例えば、被害者との示談が成立している場合や、被害がすでに治癒されていて被害者の処罰感情が薄れているという場合は、不起訴処分となる可能性が高くなるといえます。

また、被疑者の家族等が被疑者の今後の生活を監視監督するという旨の上申書を提出している場合などは、被疑者の再犯のおそれが低いと判断され不起訴処分へつながる一要素にはなりえます。

傷害罪で不起訴を獲得するためにできること

ここからは、傷害罪で不起訴処分を獲得するためにすべきことを具体的に紹介していきます。

被害者に謝罪する

被害者への謝罪の重要性

まずは、被害者に謝罪をすることが重要です。

先に述べた通り、起訴・不起訴を決定する際に、被害者の被疑者に対する処罰感情の強さが考慮されることになります。

処罰感情とは「被疑者を罰してほしい」という感情のことです。

被害者の処罰感情を和らげるためには、まずは誠意をもって謝罪を行うことが重要です。

傷害罪の場合、被害者が被疑者に対して恐怖心を持っている可能性が高く、直接被疑者に会うことを拒まれることも多くあります。

そのような場合は、まず謝罪文を作成する等により自身が起こした傷害事件について反省している旨、被害者の被った被害をできる限り弁償したいと考えている旨を伝えましょう。

謝罪文を直接被害者に受け取ってもらうことが難しい場合には、弁護士に依頼している場合は弁護士を通じて受け取ってもらえないか模索するという方法もあります。

謝罪と示談交渉

きちんと謝罪を行い、被害者の被疑者に対する恐怖心や怒りを和らげた後に示談交渉を始めることで、示談の成立可能性が高まることが期待できます。

示談を成立させることができれば不起訴処分の獲得に大きく近づくといえます。

ただし、謝罪をして被害者の処罰感情が和らいだとしても、非常識的な示談内容を提示してしまったり、無理に示談交渉を進めてしまったりしては不起訴処分獲得には繋がりません。

謝罪はあくまでも示談交渉に応じてもらうための入口にすぎず、示談交渉からが不起訴処分に関わる特に重要なポイントなのです。

被害者の感情や事情を考慮した正しい示談交渉を行うためには、弁護士をつけることをおすすめします。

正しい知識と交渉方法をもって被害者に接することが被害者の許しを得ることにつながり、結果として不起訴処分獲得の可能性を高めるのです。

弁護士に弁護活動を依頼する

傷害罪で不起訴になるためには、早い段階で弁護士に弁護を依頼するとよいでしょう。

具体的に弁護士が傷害罪の被疑者に対して行う弁護活動は、以下の通りです。

  • 逮捕回避に向けた弁護活動
  • 被害者との示談交渉
  • 身柄拘束された場合の接見
  • 報道への対応
  • 会社や学校への対応
  • 身柄解放に向けた弁護活動

これらは弁護士が行う弁護活動の一部にすぎませんが、弁護士は不起訴を獲得するためあらゆる手段を尽くしてくれます

起訴と不起訴ではその後の人生が大きく変わってきます。

そのため、不起訴を獲得するためのできる限り活動を行うことのできるよう、事件処理を弁護士に依頼しておくことをおすすめします。

贖罪寄付をする

傷害罪ではあまり聞いたことがありませんが、不起訴を獲得するために贖罪寄付をするという手段もあることをご紹介しておきます。

贖罪寄付とは、日本弁護士連合会や各地の弁護士会が設けている制度で、罪を犯したことに対する反省の思いを形にするためにお金を寄付することを指します。

日弁連や弁護士会に贖罪寄付をすると、そのお金は犯罪被害者や難民等の方々のために使用されます。

また、贖罪寄付をすると「贖罪寄付を受けたことの証明書」が発行されるためこれを情状証拠として提出することも可能です。

贖罪寄付は、被害者がいない犯罪や被害者と示談ができない場合に有効であるため傷害罪ではあまり行われないようですが、どうしても被害者との示談ができないという場合の選択肢として知っておくと良いかもしれません。

不起訴かどうかはいつわかる?

傷害罪で逮捕された後、不起訴かどうかはいつ分かるのでしょうか?

傷害事件発生から起訴・不起訴が決定するまでの流れを簡単に説明します。

以下が大まかな流れです。

  1. 逮捕
  2. 勾留延長
  3. 起訴・不起訴

逮捕から勾留、起訴・不起訴判断までの時間制限は厳しく設定されていますが、逮捕から起訴・不起訴判断までの期間は最大で23日間に及ぶ可能性があります。

逮捕後、不起訴かどうかがいつわかるのかは事案にもよりますので、一概にはいえません。

在宅事件として捜査される場合には、事件が捜査機関に発覚してから起訴不起訴の判断が出るまで2,3か月ほどかかることもありますが、身柄事件の場合には、逮捕から最大23日以内にはその判断が下されます。

傷害罪で不起訴処分を獲得したい方は弁護士に相談

ここまで傷害罪で不起訴処分を獲得するためにするべきことを紹介してきました。

まずは被害者との示談を成立させることが重要です。

そのためには早めに弁護士をつけて、スムーズに示談交渉を進めることをおすすめします。

弁護士は被害者との示談交渉だけでなく、身柄事件における逮捕直後の接見や早期の身柄釈放に向けた弁護活動も行ってくれます。

傷害罪の被疑者が不起訴処分を獲得するためのあらゆる手段を尽くしてくれるため、まずは一度弁護士に相談してみてください。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。