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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

万引きトラブルは弁護士依頼すべき?メリットと依頼すべきケース・費用を解説

平成26年の東京都内における万引きの認知件数は1万6043件、検挙件数は1万582件でした。

認知件数とは捜査機関等が犯罪を認知した件数のことを指します。

検挙件数とは、万引き犯を逮捕若しくは任意で捜査している事件の件数です。

検挙件数の21.5%が少年であり、26.6%が高齢者と、事件の半数を少年と高齢者が占めます。

もし、ご自身若しくはそのご家族が万引きをしてしまったら、まずは弁護士に相談すべきです。

ここでは、万引きをしてしまった方やそのご家族が弁護士に相談すべきケースや、弁護士に刑事弁護という形で弁護を依頼するメリット、万引きの弁護を弁護士に依頼する際の費用について解説します。

万引きで弁護士に相談するべきケースとは?

万引きをしてしまった方やその家族が弁護士に相談すべきケースは、以下のようなケースです。

すでに万引で逮捕されているケース

万引きでは逮捕されるケースは少ないものの、万が一逮捕されている場合は早急に弁護士に相談して、弁護活動及び被害者との示談交渉に着手してもらわなければなりません。

逮捕されると本人は、身動きがとれませんので、その場合は本人の家族や近しい方が弁護士に連絡を取りましょう

検察官は、警察等が被疑者を逮捕してから最長72時間以内に勾留の要否を判断し、必要と判断した場合は裁判官に対して勾留請求をします。

裁判官も同様の判断をすると、当該裁判官は勾留決定を行います。勾留が決定すると通常は10日間、勾留延長という手続がとられた場合はさらに10日間の身柄拘束が続きますので、日常生活への影響は甚大です。

弁護士は、勾留が決定するまでに依頼を受ければ、勾留阻止のための弁護活動を行うことが可能です。

すなわち、勾留を阻止する場合は、逮捕されてからなるべく早く弁護士に依頼することが肝要です。勾留請求や勾留決定の判断にあたっては、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがない場合は、勾留の必要がないと判断される可能性があります。

勾留前に弁護士に依頼することで、逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないことを主張してもらえるので、逮捕されてから勾留までに行う勾留阻止の弁護活動は大いに意味があります。

警察に通報されていなくても過去に前科前歴がある場合や執行猶予中の犯行の場合

万引きは、加害者が被害者に商品代金等を弁済することで、警察への通報を免れることがあります。

ただし、だからといってその後、被害者が通報しないという保証はありません。特に、前歴がある場合や、万引きや他の犯罪で執行猶予中の犯行である場合は、注意が必要です。

被害者によって万引きを警察に通報され、刑事裁判が開かれ有罪判決を命じられると、前科前歴があることによってより重い刑罰を受ける、執行猶予が取り消されて刑務所に収監されるなどのリスクがあります。

被害者と法的に有効な示談が成立している場合は上記のリスクは少ないですが、口約束での示談や商品代金の弁済のみを行った場合は、依然として警察に通報されるおそれがありますので、事前に弁護士に相談することをお勧めします。

また、そもそも被害者に商品代金を弁済していない、示談が成立していない場合は、警察への通報のリスクは高いですので、早急に示談を成立させる必要があります。こちらも弁護士に相談してみてください。

未成年や高齢者のご家族が逮捕された場合

万引きで逮捕されると厳しい取調べを受けることになります。捜査官による取調べは、取調室という閉ざされた空間で比較的長時間行われることが多いため、多くの方が憔悴してしまいます。

特に逮捕されたのが未成年や高齢者である場合は、追い詰められて自分に不利な証言をしてしまうおそれもあります。

取調べによって供述した内容は供述調書に記載され、裁判等の重要な証拠となりますので、発言は慎重を期さなければなりません。

とはいっても、逮捕から最長72時間は家族といえども本人と面接することができませんので、アドバイスも不可能です。

その際に大きな力となるのが、弁護士です。

弁護士であれば、逮捕後の面会禁止期間であっても面会が可能です(逮捕・勾留されている被疑者・被告人と面会することを「接見」と言います。)。

弁護士は、本人が取調べで不利な発言をしないように適切なアドバイスができます。

クレプトマニアが疑われる場合

クレプトマニアは、「窃盗症」や「病的窃盗」等とも呼ばれる精神疾患の一つです。

クレプトマニアは窃盗行為中の緊張感や窃盗後の解放感を得ることを目的として窃盗行為に及びます。

「お金を使わずに商品を得る」という利益獲得を目的とした通常の窃盗行為とは異なり、クレプトマニアは盗んだ物自体にはあまり興味を示さないことも特徴の一つです。

また、クレプトマニアは精神疾患であるため、逮捕して刑罰を受けたとしても治る訳ではなく、出所後に万引きの再犯をしてしまうことも珍しくありません。

クレプトマニアの万引き犯は初犯や2回目程度までは不起訴になる可能性もありますが、3回目以降となると罰金刑などを受けて前科が付いてしまうことも充分考えられます。

そのため、クレプトマニアの場合は刑事事件や万引き事案の得意な弁護士に依頼し、早期釈放と専門家による治療を受けることが必要だと弁護してもらうことが大切なのです。

クレプトマニアは弁護の方向性が普通の窃盗犯と異なることを覚えておきましょう。

「反省」「更生」ではなく、「治療」になります。

このため、治療を積極的に行い、弁護も治療に精を出す方向性で行うべきです。

弁護士に依頼するメリット

万引きを犯してしまった方の弁護を弁護士に依頼するメリットは、大別すると以下の5点です。

  • 逮捕直後に接見が可能
  • 早期釈放を目指した弁護活動(勾留阻止や保釈)が可能
  • 被害者と適切な示談が可能
  • 再犯を防ぐための環境作りのサポート
  • 刑事処分を軽くすること(不起訴処分、執行猶予、減刑など)を目指した弁護活動

逮捕直後の接見や早期釈放については、先ほど説明しましたので、被害者との示談や再犯を防ぐための環境作り、刑事処分を軽くすることを目指した弁護活動について解説します。

被害者との適切な示談が可能

万引きをした方と被害者が示談を成立させると、起訴(刑事裁判が開かれること)を回避できる可能性が高まること、勾留されている場合は早期に身柄が解放される可能性が高まることなどのメリットがあります。

万引きにおける示談交渉では、被害者に支払う示談金や禁止事項などを決めていきます。

万引きの示談金額は、盗んだ商品の代金と慰謝料を合計したものになることがほとんどです。

被害者との示談交渉は、万引きをした方やそのご家族でも可能ですが、弁護士に依頼することを強くお勧めします。

犯罪の被害者は被害者感情や処罰感情が強く、冷静に示談交渉に臨むことは難しいものです。

そもそも示談交渉に応じなかったり、加害者側に被害金額を大幅に超えた過大な示談金を請求してきたりするケースもあります。

しかし、弁護士との交渉であれば、被害者も冷静に対応しやすいですし、弁護士が適切な示談金を提示することが可能です。

また示談の内容についても、「示談書」という形で法的に有効な書面を作成し、示談後にトラブルが発生しないようにします。

示談成立後は、被害者に対して、被害届を提出しない、被害届を取り下げるなどの条件を課さなければ、示談成立後に示談金を支払ったにもかかわらず、警察に被害届等を提出されるリスクもあります。

再犯を防ぐための環境作りのサポート

万引きは、生活に困窮している、お金がないなどの理由で行われることもありますが、それらの要因がなく万引きをしてしまう場合は、「クレプトマニア」(窃盗症)という病気にかかっている可能性もあります。

クレプトマニアは、万引きをやめたくても自分の意思ではやめられない依存症です。盗みたいという衝動に駆られ、盗みが成功したときに満足感を感じます。

クレプトマニアは専門医に治療が必要なだけでなく、再度万引きしないような家庭環境等を整備することも重要です。万引きの弁護実績な弁護士は、これらの再犯を防ぐための環境作りもサポートも可能となります。

減刑等を目指した弁護活動が可能

何度も万引きをしているため、示談を成立させても起訴されてしまった、被害者が示談に応じない、すでに起訴されているなどのケースでも、弁護士に依頼し弁護人に選任することで、その方のために刑事弁護活動を行い、それによって執行猶予の獲得や減刑といった刑事処分を軽くできる可能性が高いと言えます。

弁護士は、刑事処分を軽くするために、被告人に情状酌量の余地があることや、再犯防止に向けた環境整備のような再犯防止の取り組みを行っていること、贖罪寄付をしたことなどを主張・立証することによって減刑等を求めることができます。そのためには、万引きでの弁護実績が豊富な弁護士への依頼が必要です。

万引きの弁護士費用は?

万引きで弁護士に弁護を依頼した場合の費用は、逮捕・勾留されているのかどうかや、刑事弁護活動によって得られた結果によって異なりますが、着手金と成功報酬の合計で50万円から100万円前後が相場です。

被害者との示談を成立させて起訴を回避できた場合や起訴された場合、接見の回数などによっても必要な費用は異なりますので、初回の相談時に、弁護士に弁護士費用を確認しておきましょう。

一般的には以下の費用の合計が弁護士費用となります。

着手金

弁護士に依頼した段階で支払う費用です。多くは、被害者との示談交渉や、逮捕勾留されている場合は一定回数までの接見(警察署等に身柄を拘束されている被疑者・被告人と面会を行うこと)のための費用も含まれます。

報酬金

事件が終結した時に支払うのが、報酬金です。成功の度合いによって金額が異なります。無罪判決を得られた場合が一番高く設定され、続いて不起訴処分、執行猶予付判決、減刑と費用に段差が設けられているケースがほとんどです。

実費、日当

事件の対応に必要な通信費、交通費、コピー代といったものが実費になります。これらは基本的に実額の支払いを求められますが、「みなし実費」という形で定額を定めている法律事務所もあります。また、弁護士が半日以上拘束されるほど外出が必要となった場合は、日当の支払いも必要となります。

相談料

依頼に至る前の相談の際に必要となる費用です。初回相談料を無料としている法律事務所もありますので、積極的に活用するとよいでしょう。

万引きで弁護士に相談する場合の流れ・方法

ここでは、万引きで弁護士に相談する場合の流れや方法について解説いたします。

依頼する弁護士を探す

依頼する弁護士を探す際には、無料相談ができる弁護士の方がおすすめです。

無料相談ができれば、もちろん無料で弁護士から法的なアドバイスを受けることができ、そもそも弁護士に依頼すべき案件なのか否かも弁護士が一緒に考えてくれます。

無料であっても事案の解決方法などを相談でき、案件によっては無料相談だけで問題が解決するケースもあるためとても便利です。

また、インターネット上にある情報や評判だけで弁護士の良し悪しを判断するのは難しく、弁護士との相性も含めて判断するには、一度相談してみるのが効果的と言えます。

その点でも、無料で気軽に相談できる弁護士の方がおすすめできると言えるでしょう。

電話できる弁護士に相談する

まず無料相談してみるのがおすすめと言っても、いきなり弁護士事務所に行って話を聞くのはハードルが高いと感じる方もいるはずです。

そこで、電話できる弁護士を利用してみるのも有効な手段だと言えるでしょう。

どんな資料を用意すれば良いかなどをまず電話で問い合わせて聞くことで、無料相談を最大限有効活用することができます。

まとめ

万引きをしてしまったら、被害者との示談を早急に成立させるとともに、身柄の拘束を回避するための弁護活動が必要となります。また、万引きが原因で逮捕や勾留をされてしまった場合は身柄解放のための勾留阻止や保釈請求といった手続も必要です。

そのためには、万引きの示談交渉や身柄解放活動等の弁護実績が豊富な弁護士に弁護を依頼することを強くお勧めします

警察に被害届を出されていない、警察に通報されていない場合でも、後日逮捕される可能性もありますので、なるべく早く弁護士に相談、依頼をして、適切な対処をしましょう。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。