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投稿日: 更新日: 代表弁護士 中川 浩秀

仮処分命令とは?申立て手続の流れや費用についてわかりやすく解説

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「原発差止の仮処分申請」
「違法行為差止の仮処分申立て」

毎日のように、インターネットやテレビのニュースで仮処分という言葉を目にします。

しかしながら、仮処分が具体的にどのような手続なのかを理解している方は少ないものです。

そこで本記事では、仮処分の概要や手続の流れ、費用について解説します。

仮処分とは?裁判との違いとは?

まずは仮処分が一体どのような手続なのかをわかりやすく解説します。

仮処分とは

仮処分とは、刑事事件ではなく民事上の手続です。

権利関係のトラブルが起きていて、裁判の結果を待っていたら債権者に不利益が生じる可能性がある場合に、権利の保全のため債権者からの申立てにより、民事保全法に基づいて裁判所が決定する暫定措置を認める処分のことをいいます。

これだけでは少しわかりにくいので身近な事例で解説していきます。

離婚の際は、財産分与という夫婦の共有財産を分割する手続を行うことがあります。

ところが、自身の取り分を減らさないために、財産分与の前に不動産や預貯金などを処分、移動させて隠そうとする「財産隠し」を行おうとする方もいらっしゃいます。

そこで役立つのが、仮処分です。

仮処分を申立てることで、勝手に不動産等を処分できなくなります

仮処分と通常の裁判との違い

仮処分とは暫定的な権利や地位の保全手続ですが、裁判は権利や地位が確定される手続です。

したがって、裁判では仮処分と全く異なる判決が言い渡されることもあります

また、仮処分と通常の裁判では、結果が出るまでの期間が異なります。

仮処分は、2週間から3か月程度で結果が出ますが、裁判は事件の内容にもよりますが、6か月から2年ほどかかります。

速やかに権利を保全したい、保全する必要があるというときに申し立てるのが仮処分というわけです。

仮処分と仮差押との違い

仮処分と似た手続で、仮差押というものがあります。

仮処分も仮差押も、共に裁判(本訴)の結果が出るまで待てない場合に、仮に権利や地位を定める民事保全です。

しかし、仮差押は、金銭債権の保全に限られた手続です。

「貸したお金を返して欲しい」と考えている債権者(お金を貸した人)が、債務者(お金を借りている人)の財産の処分ができないように保全したいというような場合に利用します。

それに対して、仮処分は金銭債権以外の権利を保全する場合に利用する手続です。

「インターネットの書き込みの削除を求めたい」、「財産分与で不動産を勝手に処分されたくない」、「自分の土地に他人が家を建てようとしているので辞めさせたい」、というようなときに仮処分を選択します。

2種類の仮処分とは

仮処分には、係争物に関する仮処分と仮の地位を定める仮処分の2種類が存在します。

係争物に関する仮処分

係争物に関する処分とは、金銭債権以外の権利を保全するための手続です。

具体的には、「目的物の現状維持」を命じる処分です。

離婚の財産分与において、不動産を処分しないようにする仮処分は、係争物に関する仮処分となります。

係争物に関する仮処分には、「処分禁止の仮処分」と「占有移転禁止の仮処分」があります。

「処分禁止の仮処分」

不動産を売却しないように命じる仮処分のことを、「処分禁止の仮処分」といいます。

処分禁止の仮処分とは、不動産の所有権移転や登記、抵当権設定などの処分の禁止を目的とする仮処分のことです。

例えば、不動産の返還を目的としている場合、相手が他人に不動産を売却してしまったら、たとえ裁判で勝っても不動産の取り戻しができなくなるので、処分禁止の仮処分によって権利移転が禁じられます。

「占有移転禁止の仮処分」

賃貸物件の明け渡し請求の際に行われることが多いのが、「占有移転禁止の仮処分」です。

占有移転禁止の仮処分とは建物や土地などの占有を他人に移転させることを禁じる仮処分のことをさします。

例えば、大家さんが、アパートの入居者にアパートの明け渡しを求める場合、裁判の判決が出る前に、入居者が、第三者に建物を占有させてしまった場合、大家さんは第三者に対しても裁判を起こさなければなりません。

それを防ぐことができるのが、占有移転禁止の仮処分です。

仮の地位を定める仮処分

仮の地位を定める仮処分とは、本訴前に債権者に仮に法的な地位を認めることにより、権利保全をはかる手続きのことです。

簡潔に言い換えれば係争物に関する仮処分と仮差押以外の手続です。

これら以外を「すべて」含むので、仮の地位を定める仮処分の範囲はとても広くなります。

具体的には、インターネットの誹謗中傷記事の削除や、不当解雇、建築工事の禁止や損害賠償請求など多岐に渡ります。

昨今では、インターネットへの誹謗中傷の書き込みの削除を求めた仮処分の申立てを検討している方が増加しています。

仮処分が認められる要件とは?

仮処分が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

被保全権利

まずは、保全されるべき権利が存在していることが求められます。

インターネットの誹謗中傷書き込みの削除についての仮処分を求める場合は、その書き込みが申立人の権利を侵害している必要があります

名誉毀損や侮辱等に該当するような書き込みや、個人情報が記載されていたりなどの場合に仮処分が認められる可能性が高くなります。

保全の必要性

また、「保全の必要性」が存在しなければなりません。

裁判が終わるまでなにもしなければ、権利の実行が難しくなる場合は、保全の必要性があると判断されます。

例えば、離婚問題であれば財産分与に関する裁判が終了する前に、一方の配偶者が不動産を処分してしまえば、財産分与の請求が認められたとしても、その不動産を手にすることはできません。

こういったケースでは、保全の必要性があると判断される可能性があります。

仮処分を申し立てる流れと手続

実際に仮処分を申し立てる流れと必要な手続を解説します。

仮処分命令申立書を作成・提出

まずは、仮処分命令申立書を作成して、管轄の地方裁判所に提出します。

正本と副本と、疎明資料とよばれる訴訟委任状などの添付書類が必要です。

申立書には、被保全権利と保全の必要性があることを、具体的に記載しなければなりません。

建物の明け渡しについての仮処分を申し立てる場合の疎明資料は、賃貸借契約書、建物登記事項証明書、入出金等の帳簿、督促文書の配達証明書などです。

仮処分の申立書は、決まった書式があって空欄を埋めるというものではなく、申立人が被保全権利と保全の必要性について主張しなければなりません。

日頃から法律事務に関わっていなければ、申立書の作成は少し難しいと考えます。

裁判所で審尋を受ける

審尋とは裁判官との面談です。

弁護士に依頼していれば、弁護士が出頭しますし、弁護士がいなければご自身で出頭します。

追加の資料提出を求められることもあります。

相手方に対する審尋が行われる

相手方も裁判官による面接を受けます。

建物の明け渡し請求の場合は、賃料を滞納している入居者が面接を受けます。

このことを、債務者審尋(さいむしゃじんしん)と言います。

仮処分命令が出されると、相手方の権利が制限されてしまいますので、相手方の言い分や主張もしっかりと確認されます。

立担保

双方の審尋等により、申立てが正当であると認められた場合は、裁判所が決定した「担保金」を、法務局に供託しなければなりません。

仮処分では、裁判の判決を待たずに、相手方の権利を制限するものです。

したがって、裁判で仮処分とは異なる判決がでた場合は、相手方は無駄に権利を侵害されている可能性があります

相手方が仮処分によって損害を被っていた場合は、担保金を相手方が受け取ることになります。

裁判で勝訴となった場合は、担保金は手元に戻ってきます。

仮処分命令

申立書や疎明資料、審尋の結果によって、裁判官が仮処分の要件を満たすと判断した場合は、仮処分命令が言い渡されます。

インターネット掲示板の書き込みの削除を求めるという事例の場合は、仮処分命令を添えてサイト運営者に削除を依頼することで、削除がなされます。

仮処分の申立てに必要な弁護士費用

仮処分の申立てのために必要な費用は、以下の通りです。

  • 申立手数料 2000円(債権者1人につき2000円)
  • 郵便切手 数千円(裁判所からの通知送付用に使われる)
  • 担保金 請求債権の2割から3割程度になるのが一般的です。

仮処分の申立は、申立書の作成や審尋といった法律の専門知識や文章作成能力が求められる手続であるため、弁護士に依頼することが一般的です。

弁護士に依頼した場合は、着手金や成功報酬金が別途必要となります。

合計で、30万円から40万円程度になることが多いです。

仮処分申立を検討されている方は弁護士へ相談

仮処分の申立は法律に日頃から触れていないと難しい部分が多いため弁護士への依頼をお勧めします。

仮処分を検討しているということは、できるだけ早く処分を出して欲しいと考えているということです。

ご自身で手続をすると、書類の不備等により、手続がスムーズに進まない可能性があります。

できるだけ早く仮処分を申し立てたいと考えている方は、弁護士にご相談ください。

東京スタートアップ法律事務所は、霞が関にある東京地方裁判所からほど近い四谷駅徒歩約2分の立地ですので、ご依頼いただければすぐさま仮処分の申立てに着手可能です。

代表弁護士中川 浩秀 東京弁護士会
2010年司法試験合格。2011年弁護士登録。弁護士法人東京スタートアップ法律事務所の代表弁護士。同事務所の理念である「Update Japan」を実現するため、日々ベンチャー・スタートアップ法務に取り組んでいる。